物憂い午後の 大気を孕んだ 灰色の空の下 透明に停止し た光の稜線に 沿って白い起 伏を描くアー チは不確かな 未知に臨んで 重力の楔をち ぎって上昇し 続ける私はす べての言葉に うんざりだっ たビューティ フルな断定口 調がグロテス クな完全試合 に繰り出す無 数の先発投手 みたいにあり ふれた意思の 突出をもっと も残酷な投球 で次々と三振 に討取ってゆ くそんなデス トピアで不確 かな灰色の空 の下ライト上 段に高々と舞 い上る大飛球 を放ち軽く左 腕を持ち上げ て思考を断ち 切りエモーシ ョンだけが発 熱するベース を無為の沈黙 のうちに蹴っ てゆく背番号 9番遊撃手の 辿り行く荒涼 とした一日分 の新世界をわ たしもまた彼 のスパイクを 追ってすべて の言葉を振り 切り裏切り疾 走していたか った・・・・ |